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「渦流の国の少女・ヒトノカタチ編」 第二部「うづる帰還」(3)

元素子は、うづるの新しいフィギュアを抱え、向かい来る渦流弾の流れにちょうどあい対する側の工房のドアから出て、立った。

「どこから来るの!」
元素子は顔を上げて空を見回す。

元素子の前でずり落ちそうになっているうづるのフィギュアを抱え直してちゃんと立たせたが、渦流弾と、たまに混じるミサイルの流れは、スカラの工房の手前で方向を変えた。

それが答えを教えてくれた。

「見える!あれだ!」
渦流弾の流れの軌跡の先に、空から猛烈な渦の塊が雲を割って降りてくるのが見えた。

その巨大な渦流魂は、無数の渦流弾とミサイルをまともに食らいながらも、平気で降りてくる。

「うづるさん!こっちです!」
元素子、うづるのフィギュアを掲げる。


スカラとカズーも、うずるの渦流魂を見上げていた。

「あいつ、フィギュアの中に入るかな…」
「どうしてそう思うんです?」
「元素子が危険にさらされてるわけでもない、いくら攻撃を受けてもあいつは渦流魂のままでも平気だ。フィギュアの中に入る理由がない」
「じゃあ、なんで戻ってきたと思ってるんです?戻ってきて欲しかったんでしょう?」
「そりゃそうだが…相変わらず何を考えてるのかよく分からん奴だからな」
「決まってますよ、大好物が目の前にいるからです(笑)」

カズー、塹壕から顔を出し、前方の元素子に向かって叫ぶ。
「元素子さん!ブースト加速させてみて!」
「え、は、はい、ブースト!」

元素子の腹回りが輝く。

「これで少しは食いつきやすくなるかな」

うづるの渦流魂は降下してくるにつれ、その渦の激風が地表を荒らし、元素子はそれに耐えながら、踏ん張る。

スカラとカズーも塹壕から出られないほどの暴風が吹き荒れる。

渦流弾とミサイルが、元素子とうづるが接近したことで元素子にも集中し、流れ弾が元素子をかすめる。

「そいうことか、しかし、やりすぎだろう!元素子、危険だ、引け!」
スカラが叫ぶ。

「引きません!ブースト最大加速!シールドは張らない!」

うづるの渦流魂が元素子の目の前まで降り、激しく回転し、回転しながら静止した瞬間、そこへすべての渦流弾とミサイルの流れが集中して爆発した。

閃光が工房全体を包んだ。

「どうなった!」
「た、たぶん!」
「たぶんってなんだよ!」

カズーにも確信はなかったが、

閃光の後、衝撃波がやってきた。フィギュア姿でシールド展開したうづるが現れ、元素子と工房全体を庇って、衝撃波を四方に散らし、元素子を抱えながら弱まった爆風の波に乗るように爆発点から後退していく。

「上手くいったようですね」
「お前なあ」
「うづるさんのフィギュアを元素子さんが抱えていたからでしょうね。フィギュアとうづるさんの渦流魂が共鳴したのかもしれない。そうでなかったら、うづるさんは平気で元素子さんの渦流魂を奪い去っていたかもしれない」
「そうなのか?」
「正解かどうかはわかりません。あくまで推測です。フィギュアが『情』を働かせたのかな、そのフィギュアを造ったのはあなたなんだから、自信もっていいと思いますよ」
「…お前、何を知ってる。これを仕掛けてるのは誰だ」
「知りませんよ、あなたと元素子さんと同じで、あのうづるさんに興味があるだけです」

カズーは元素子とうづるに、こっちこっちと手を振り、塹壕に二人を呼ぶ。

スカラはまだ釈然としていない。

テーマ : 創作・オリジナル
ジャンル : アニメ・コミック

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Author:tobofu
http://d.hatena.ne.jp/tobofu/
でアニメ感想系まがいのことをやっていますが、こちらはオリジナル創作漫画、小説の発表用のブログです(時間がないときや事情によってはアイデア、プロットレベルのものを提示するのみ、になってしまうかもしれません)。
その他総合的なプロフィールはhttp://www.geocities.jp/tobofu/
参照。

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