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「渦流の国の少女」ーいったい誰が早く人間になりたいと願ったか?ー

地球上で、かつての「人間」が実体化した魂、渦流魂(ウズルコン)となって恐ろしいほどの年月が過ぎたが、モノリスという黒色直方体万能機械を使う地球外上位知的生命体(裁定者)はただ地球の現状を監視し続けるだけで、何も手を出すことはしなかった。ただし、渦流魂が生き延びるための物資は提供した。

地球人類がまだ「人間」であった頃、トライアングル星雲に属するハモニカ星国の初代コメット王女が地球に留学した時代の思い出に憧れて、その後地球に再びやってきた三代目コメットも地球の素晴らしさを知ることになるのだが、三代目コメットが地球に帰化したのち、同じく地球で一時滞在していたタンバリン星国プラネット王子の制止も聞かず、その侍従長であったヘンゲリーノが地球人の権力者、技術者たちと協力して、強引に、星力を直接宇宙から無尽蔵に採取するために宇宙エレベータの建設を開始したが、ミノフスキーマグネットレイフィールド、MMFが上手く作用せず、エレベータの崩壊が始まった。

地球人の技術者、甘粕斧(アマカスヨキ)の強い要望で、この危機を回避するため、三代目コメットはすでに地球人として暮らしていた二代目コメット、スピカ、さらにハモニカ星国王妃(初代コメット)の協力を得て、全ての星力を発動させた。

しかし、幾多の星々を総べ、道具のモノリスをコミュニケーション代わりに使い、自ら表に出ない裁定者最高委員会は、過去、モノリスで他の星を無差別に進化を促したコロニアリズム批判を受けたこともあって、沈黙したままだったが、一部の裁定者の急進派は、トライアングル星雲の行為を阻止しようとしモノリスを使用した。

コメットたちの星力と裁定者のモノリスの力により、事態は悪化し、地球史上最大の厄災が発生した。「渦源流」(ウズゲンリュウ)の発生である。

同じトライアングル星雲の一つを成す、カスタネット星国の王女、メテオは女王とともにあらゆる手段を使い、生き残ったまだ「人間」の地球人を宇宙へ待避させた。

ある者たちは月へ移住させられ、またある者たちは金星の近くでコロニーを作った。それは後に、月の住人はムーンレイスと名乗り、金星方面のコロニーはビーナスグローブと呼ばれ、長らく故郷である地球へ戻ることはなかった。ことにムーンレイスによればこの厄災は人型に変形したモノリスが放った「月光蝶」によるアーマゲドンだったという伝説が長らく残ることになる。両者はのちに故郷である地球へ帰還するレコンギスタ作戦を実行することになるが、まだまだ未来の話である。


そして、地球上に残された人間たちは「魂」だけの存在になった。それは、とても進化とは呼べない生き物となっていた。

まだ「人間」であった、地球人の甘粕斧は、三代目コメットに最後の願いを請い、星の子たちのフィギュア造型師の協力を得た。そのことで、「渦流魂」と呼ばれた魂をフィギュアという身体に封じ込めることに成功した。その後、三代目コメットは過去に地球の輝きを多く見てきただけにその悲しみは深く、伴侶であった地球人の三島佳祐とともに行方不明になった。

三代目コメットの協力を得た甘粕斧は、自分だけ生身の人間のままでは渦流魂のヒトの反感を買うと感じ、メテオに頼み込んで自ら渦流魂に変化させて貰うことになった。甘粕斧は渦流魂は渦流魂のまま、社会を立て直すという理想を抱いていたからだった。



そして現在。

フィギュアという身体を持つ渦流魂のヒトの社会は、過酷ながらも徐々に発展し、それなりの歴史も築いてきていた。

クファニー・スファの武装フィギュアが生んだらしい渦流魂の赤ちゃんは、渦流魂でも子供が作れるという新たな希望を示した。それは、バラバラだったヒトの集落、特に都市山脈と呼ばれる集落の住人を希望の名でまとめ上げるため、または将来ドーム・コミュ・スラタリアにその集落を接収するという、政治的な意味あいもあったのだが、研究のために保護する対象でもあった。

榊夜々子(サカキヤヤコ)が甘粕斧の娘であることを引き受けたのは、ドーム・コミュ・スラタリアのフェイクスらにまんまとそそのかされたからなのだが、指導者の器ではないと感じつつ、都市山脈の住人をまとめ上げるために、道化、偶像(アイドル)の真似事だけはやってみせると覚悟を決めた。その覚悟が出来たのは、スラタリア総合校のフェイクス・オリジと、生徒会長のノース・ノキユ、ハルモ・ルニーのプロデューサーとしてのバックアップが信頼出来たからだ。さらに、その背後には教師の九重・ヴァン・花蓮がいたからだった。フェイクスはすでに見抜いていたが、九重は、教師は表の顔で、実はスラタリア運営委員会の一員だった。だから一介の学生である彼らを政治運営に参加させることが出来たのだ。贔屓ではない。彼らにはそれなりに能力があり、九重がそれを認めたからだ。

フェイクスたちの目的は他にもある。スファが生んだ渦流魂の子供の保育、研究、警護の管理の仕事も任された。象徴化されたスファの子供を抹殺しようとする反対派都市山脈住民の動きを懸念したためだった。

そうやって地味ながら渦流魂のヒトの生活は続いて行くはずだった。


ところが。

裁定者の組織に属さない、異星人が地球にやってきた。

その者は、いきなり、自分は渦流魂のヒト全てを本当の「人間」にする力を持っている、と言ってきた。彼はメフィラス星人と名乗った。
彼の真意は不明であり、渦流魂社会の代表はまだ存在しなかったので、とりあえずはスラタリアの運営長が対応した。裁定者に協力を要請したが返答はまだない。またしてもだんまりを決め込むのか。

地球に渦流魂の社会が出来つつあったことと、もはや伝説化されてしまった「甘粕斧」の、「人間になってはいけない」というタブーが強力に働いたのか、一部のヒトを除き、渦流魂のヒトびとはメフィラスに賛同しなかった。

「貴様たち、ゾンビの分際で私に刃向かうのか!」

メフィラスは怒ってその巨大な身体でドームを破壊しようとした。

「まるで子供じゃねえか」

フェイクスはあざ笑った。

「誰ももう人間になりたいだなんで思ってねえんだよ」

スナフたち、ドームの前衛部隊が仲間とともにキグルミで応戦した。元素子もその戦いに参加した。

その巨体の割にはメフィラスは苦戦した。そして最強の、宇宙恐竜ゼットンを召喚した。

さすがに裁定者も焦ったか、モノリスを総動員してゼットンに対抗したが刃が立たない。

その時、赤い玉が飛来し、その中から別の異星人が出現した。M78星雲人。彼もまた裁定者とは距離を置く存在で、地球圏近くにいた仲間の恒点観測員の連絡を受け、さらに友人である二代目コメットがウルトラサインで要請したものだった。そして銀色のM78星雲人にとってもゼットンには一度は負けた過去があり、復讐戦に燃えていた。

こうして、メフィラス、ゼットンとM78星雲人、モノリス、渦流魂の戦闘部隊との戦いが始まった。


「あたしたちさ、何もしなくていいの?」

ハルモがフェイクスに聞いた。

「すでに大人たちが避難誘導をしている。俺たちが出る幕でもないさ。それともお前行きたいか?」

フェイクスはウズウズしているノキユに振った。

「あ、あなたはどうなのよ」

「俺たちは俺たちがやるべきことをやるんだよ。元素子やスナフみたいにはなれないって言ったろ。あんな神々の戦いみたいなさ。それに、先生、いざとなれば何とかしてくれますよね?」

フェイクスは、都市山脈の中、スファの子供たちのために作られた保育園の一室の隅で立っている九重の方を見た。

「任せろ。もう君たちに無理はさせないよ」

まだどうしていいか分からないノキユに手本を示すように、子供の一人にフェイクスは向かった。

その渦流魂の子供はフィギュアの身体を必要とせずとも賢明にヒトノカタチを取ろうとして内部で渦流がうずまいていた。

フェイクスはそれをいじらしいと感じ、自然と愛着を覚えた。

一方でスファの夫、若くして父親になったルガッグ・ルルが側につき、ハルモは子供にゆっくりと言葉を教えようとしている。


その二人を見たノキユはようやく立ち上がった。



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