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「渦流の国の少女・スラブタルフィーギの襲撃」(2)

病室のようなところで、スナフはうっすら目を覚ました。
窓が開いているのか、心地よい風が入ってくる。日は射し込んでいるが部屋が薄暗いのはカーテンで仕切られているかららしかった。


「だから、後は我々ドーム運営生徒会の仕事です。前衛部隊は下がっててくれないかしら」

「第一発見者はこちらです。まだ報告書出してないんですよ?」

「でも、彼の素性はまだ秘密にしておきたいのだけれど…」


カーテン越しに二人の女の声がした。

不意にカーテンが開き、人形の女の顔が現れてスナフとその女の目が合ってしまった。

一度会っていて、初対面ではないはずなのにスナフも元素子も気まずい雰囲気になり、二人とも声が出なかった。

スナフはついリラックス出来ている環境下で余裕があったためか、ほとんど見たことのなかった、「フィギュア人間」の実際の有り様をほんの一瞬だが垣間見て、警戒心よりも好奇心が勝ってしまったため、目をそらすことが出来なかった。

元素子の方はといえば、スナフの素性を知りたいために医療施設に来たものの、いざ対面してしまうとどうしていいか分からず、すぐにカーテンから引っ込んでしまった。聞きたいことは色々あったはずなのに。


再び閉じられたカーテン越しに今度は別の女の声が部屋に入ってきた。声の感じからすると、先の二人より年上らしかった。

「ノース・ノキユ君も元素子君もここは下がりなさい」

「しかし、これも運営生徒会の仕事ではないのですか?九重先生」

ノース・ノキユと呼ばれたフィギュア人間が反論する。

「確かにドーム・コミュの運営は人手不足だ。だから君たちのような学生に手伝ってもらってはいる。しかし、これは君たちの仕事の範疇を越えているものでな。済まないが」

九重と呼ばれた、白衣を着たフィギュアの女性は頑丈そうなケースをノキユと元素子に掲げて見せた。

「最重要機密というやつだ。大人の領分というやつだな。とは言っても私も実はすべてを知らされていないんだよ」


「そうですか…」

ノキユは上下関係や規律をちゃんと守るらしく、おとなしく引き下がった。

「元素子君もな。ガゼル・クランカラン教官が探していたぞ」

ノキユとは違い、少々不服そうな表情の元素子に向かって九重(ここのえ)・ヴァン・花蓮(かれん)は言った。


よく分からない単語があったが、会話の内容はスナフにも理解出来た。ということはここのフィギュア人間とは言葉が通じるらしい。

今度はカーテンが全開され、白衣の女のフィギュアが現れた。

「体の調子はどうかな?」

と言われて初めて、スナフは右足と胸部に包帯が巻かれ、右腕に点滴の管が入っているのに気がついた。
痛みはなかったが、体はまだだるく上手く動かない。しかし、頭ははっきりとしていた。しかし、スナフは九重の顔を凝視しながらも何も答えない。

「これからいくつか質問をするけど、イエスなら頭を縦に、ノーなら横に振って」

つまりは尋問である。言葉が通じるのかどうかは分からなかったがとりあえず試してみるしかない。ただ、劣悪な環境の牢獄に収容せず、拘束もしなかったのは、こちらが相手を丁重に扱うことで相手の警戒心、敵愾心を少しでも和らげるためだった。何しろ保護されたとき、負傷していて何の抵抗もしなかったのだから、その可能性も低いだろう。

とはいうものの、危険がまったくないわけではない。

スナフは頭を縦に振った。言葉は通じるらしい。でも声を出さなかったのは相手も多少の警戒心があるからだろう、と九重は判断した。

「じゃあ、いきなり核心を突いてみるけれど…」

と言いながら九重は病室に入ってきた時に持ってきたケースの蓋を開け、中から透明な袋を取り出し、寝ているスナフに見えるように掲げた。

「これが何か、君は知っているかな?」

袋の中には血糊が付いていて、親指ほどの小さな機器が入っていた。

「これは君の胸の中に埋め込まれていた。爆弾だよ」
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でアニメ感想系まがいのことをやっていますが、こちらはオリジナル創作漫画、小説の発表用のブログです(時間がないときや事情によってはアイデア、プロットレベルのものを提示するのみ、になってしまうかもしれません)。
その他総合的なプロフィールはhttp://www.geocities.jp/tobofu/
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