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「渦流の国の少女・ヒトノカタチ編」 第二部「うづる帰還」(4)

元素子がうづるに手をのばそうとすると、逆にうづるが元素子をお姫様だっこして抱え、塹壕へ飛び込む。

嬉しそうな元素子。

「久しぶりね、何かあったの? 前のときより元気になってる」
「え、そ、そうみえますか!?」

元素子は嬉しすぎて、思わず声がうわずってしまった。

「はじめましてですかね。あなたがうづるさんですか」

カズーが言う。

「うづる? 私のこと?」
「いい名前だと思います。スカラさんが付けたってところは気に入らないけど(笑)」

「なんだよ」
「うづる、ね。別にいいけど」
「お前が名乗らねえからじゃねえか」

「元素子です。名前言う余裕なかったから…あのときは」
「そうだ、勝手に現れて、勝手に消えてったろう、あいさつくらいしてから行け。礼儀を知らん奴だな」

「元素子か。ちゃんと覚えておくようにするね。どうもフィギュアから抜けると忘れっぽくてね」

「なるほど、やっぱりそうなんですね。あ、ついでに便乗して。カズーって言います。忘れちゃってもいいですよ」

「別の星の渦流魂のヒトです。いろいろ助けてもらいました」

「そうなんだ。元素子の渦流魂の色がちょっと変わってるのもそのせいかな」

「ええ」

さすが、うづるさんだ、と元素子は思った。そして、自分の中の陽子の渦流魂の能力を使い、ふと、うづるの内面を見ようとして、目から脳を貫くような衝撃を受けてしまい、カズー側に倒れこんだ。

「どうしたんです」
カズーが元素子の体を支えた。

「…目がチカチカする…」

「どうしたの?」
うづるも聞いてきた。

「い、いえ、なんでもないです」
「元素子さん、まともに見ないほうがいいよ」
カズーは元素子がやったことをわかっていた。

「…何だったのあれ」

「自己紹介タイムはこれくらいにして、この状況をなんとかした方がいいんじゃないんですか」

このやりとりの間にも渦流弾とミサイルの流れは続いている。

「そうね、なんか、気持ちよく寝てるところをたたき起こされたような気がするのよね、気に入らない」

「さすがですね」

「えっ」
元素子はうづるとカズーのちょっとしたやりとりに引っかかりはしたものの、意味はわからない。


うづる、立ち上がり、
「元素子、大丈夫?手伝ってくれるかな」
「あ、は、はい!」

うづると元素子が塹壕から出て行く。

「うーん、凄い。『トフボフの渦流魂』とはよく言ったもんだなあ」
「見たのか、その、うづるの渦流魂の中を。どう凄いんだ」
「言葉で説明できたら凄いとは言いません」

「ついでに言うと、うづるさんだけじゃなくて、元素子さんとの組み合わせの方がもっと凄いかもしれませんよ。うづるさんの渦流魂はただ、ただでもレベルが桁違いですが、カオスなだけです。それが強い縁の力でコスモスの渦流魂を呼んだときです、凄いのは。あるいはコスモスがカオスを呼ぶのか」

「なに?なんだって?」

「だから言葉にするとそういう言い方しか出来ないんですよ」



塹壕から飛び出したうづると元素子、相変わらず攻撃はうづるに集中する。
うづるは攻撃を軽くかわすものの、きりがない。

元素子は攻撃方向の元をサーチしようとした。
陽子の渦流魂の力をブースターで増幅させて攻撃元を探ろうとした。

が、まったく感知できなかった。渦流魂を溜込んだ「端末」でもない、渦流魂のヒトの気配もない。まして、ミサイルまで使ってくる相手である。
元素子はミサイルが何なのか知らなかったが、どこかのコミュのヒトがそれを使ったのなら、少なくとも、ヒトの気配は感知出来るはずなのだ。

だとすると、やっぱり、

「うづるさん!ヒト以外の何者かかもしれない!」
「そう、そういうことね!」

うづるの目が輝いているのを元素子は見た。

“あれがうづるさんなんだ”

「元素子!後ろ!」
「えっ」

元素子の後ろに、いつのまにか「端末」に似た物体があった。

元素子がうづるのことを気にしすぎていて油断していたのもあったが、その「端末」に元素子が気づかなかったのは、内部に渦流魂を持たないので、元素子には知覚出来なかったからだった。ダミーの「端末」だったのだ。

元素子の能力が仇になったというより、「敵」はそこをついてきたのかもしれなかった。

ダミー「端末」は、元素子のフィギュア内の渦流魂を吸い上げて吸収し、抜け殻になった元素子のフィギュアを抱えて空へ上昇していった。

「そういう魂胆かい!」

うづるは地面を蹴ると、両腕から渦流噴射して、元素子を連れ去ったダミー「端末」を追った。
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