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「渦流の国の少女・ヒトノカタチ編」 第二部「うづる帰還」(6)

元素子がスカラとカズーのところまで下がると、空気を読んだ三博士がどこからともなく、正方形のプレートをうづるに向けて放った。

そのプレートが一枚だけでないことをうづるは察知すると、6枚のプレートがうづるを囲み合体して立方体になる瞬間に、そこから抜け出した。

「『グリッドキューブ』か」
カズーが言った。

「そういう名前なのか」
「捕獲装置の一種です。スカラさん、同じ星の人たちが使うものなのに知らないんですか?」
「同じ星と言っても、俺は地球生まれだからな。故郷の星に行ったことなんか、今まで一度もない。それにただの民間人だ。そんなもの知りようがない」
「噂レベルででもですか」
「それより、何故お前の方が知ってる」
「ああ、そうですね。僕は民間人じゃないんです。つまり、そういうことです」
「どういうことだよ」


分離したプレートは、「廃ビル山脈」の屋上の瓦礫の地表を走るうづるを追う。プレートの表面から細かい電撃のようなものが発射され、瓦礫を吹き飛ばしながら、うづるに迫った。

うづるは足が引きずられるような感覚に襲われた。

うづるはプレートに向き直ると、渦流エネルギーを収束させたソードをプレートに向けて放ち、プレートそのものを叩き斬ろうとしたが、渦流そのものがプレートの電撃に絡み取られてしまった。

それだけで、うづるはその電撃がどういうものなのか分かった。

うづるにとっては不利な戦いだった。渦流弾を放ち続け牽制しながら6枚のプレートの動きから、逃れ続けなければならない。

うづる自身の渦流魂が消耗することはなかったが、器であるフィギュアが軋み始めていて、悲鳴を上げていた。


三博士はうづるのフィギュアを破壊して、素の渦流魂をあらわにさせようとしていた。

プレートの電撃、渦流魂専用の吸引ビームでうづるのフィギュア内部から渦流魂を引き出そうという作戦だった。


プレート群にじわじわと囲まれながら、うづるのフィギュアの各所にヒビが入り始めていた。吸引ビームに渦流が引き寄せられ、フィギュアの外に飛びだそうとしているからだった。

ただでさえ、うづるの渦流魂はフィギュアに過大な負担をかけていたから、吸引ビームをまともに受けてしまえば、フィギュアは簡単に破裂してしまう。

吸引ビームを避けつつ、プレートに攻撃することもできない。いや、フィギュア状態のままではそれは不可能だった。力をセーブしているからだ。うづるの「情」が力を解放することを抑えていた。

その意味では、これはプレートとうづるの戦いではなくて、うづる自身の「情」の戦いだった。


フィギュア右足ひざ下が耐えきれず、破裂した。
姿勢を崩したうづるを狙って、背後から一枚のプレートが迫りうづるに張り付いた。そして、四方からプレート群の吸引ビームをまともに受ける。

フィギュアの各部が破裂していく。

だが、うづるの渦流魂は、ヒトのカタチを保とうとしていた。

うづるは微妙にぶれるヒトのカタチを維持しながら、背中に張り付いたプレートに逆に過剰な渦流のエネルギーを送り込ませて過負荷を起こさせ、プレートを粉々に破壊した。


すでにほぼ半身渦流が露わになったまま、うづるは立った。

「なんと、そこまでヒトのカタチにこだわるのか」

三博士は驚きつつも、嬉しそうだった。


そしてそのまま、ゆっくりと三博士の方に歩き始めた。

うづるは三博士に「どう?」とも読める表情をした。
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その他総合的なプロフィールはhttp://www.geocities.jp/tobofu/
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